相談内容

私には重度障害の息子がいます。妻には先立たれ、息子には兄弟もいませんので、私が亡くなった後のことが心配です。私が先代から引き継いだ遺産も、息子の代で消滅してしまうのではないかと心配です。(男性・60代)
※事件の特定を避けるため、相談内容を一部改変しています。
当事務所の対応
ご家族と面談し、成年後見制度、遺言、家族信託等の複数の選択肢の中から最適な方法を検討しました。本件では、相談者様が亡くなった後のご長男の財産管理、ご長男が亡くなった後の資産の承継を目的として、家族信託を利用することにしました。
弁護士のコメント
家族信託は、近年、利用者が増加しています。その背景には、家族信託が幅広いニーズに対応できること、裁判所の関与が不要であり、家族内で完結する資産管理の形態であること、成年後見制度への不信感などがあります。
しかし、裏を返せば、家族信託には、不正を監視する機能や、専門家による継続的な支援が当然には予定されていないことを意味します。そのため、家族信託を利用する際は、当該家族信託の内容、安全性について、専門家による監修は必須となります。
本件では、複数の専門家による監修を経ることで、無事、相談者様の目的を達成することができました。
一口メモ:家族信託か、成年後見制度か、遺言か
家族信託には、「財産管理機能」と「財産承継機能」があるとされ、成年後見制度や遺言と比較検討されることがあります。財産管理の安全性という観点からは、制度上は成年後見制度の方に分があり、適切な受託者を確保しにくいという状況も相まって、相対的に成年後見制度の利用者数の方が多い状況です。もっとも、家族信託でしか実現できないスキームもあり、一方が他方より優れているというものでもありません。ご家族の置かれている状況によって最善の選択肢は異なりますので、専門家に相談することをおすすめします。