相談内容

私は、婚約した男性と同棲を始めたのですが、価値観が合わず、話し合いの末に婚約を解消しました。ところが、後日、その男性から「婚約の不当破棄」だと訴えられました。(女性・30代)
※事件の特定を避けるため、相談内容を一部改変しています。
当事務所の対応
相談者様から婚約の解消に至る経緯を丁寧に聴取し、その間の二人のメールのやり取り等の客観的な証拠を精査しました。検討の結果、婚約は双方の合意の下で解消されたものと考え、そのように裁判で反論しました。1年以上にわたる裁判の結果、当方の主張が認められる判決が出て、無事、解決となりました。
弁護士のコメント
「婚約」とは、近い将来に結婚することを約束することを指しますが、一旦これが成立すると、正当な理由なく一方的に破棄することは認められません。価値観が合わない、親に結婚を反対されている、別の人を好きになった等の理由は、正当な理由とは認められません。
しかし、婚約は二人の合意で成立するものであるため、これを二人の合意でもって解消することは認められます。
本件では、婚約の解消に至るやり取りが、メールという形で証拠になっていましたので、当方の主張が認められる結果となりました。
コラム:客観的証拠の重要性
法律相談をしていると、「大丈夫です!このことを証言してくれる人がいます!」とお話しされる方がいます。しかし、証拠は大きく2つに分類されます。一つは、資料・記録・データなどの「客観的証拠」と呼ばれるもの、もう一つは人の証言であるところの「供述証拠」と呼ばれるものです。前者は、人為的な改変が行われ難いとされ、裁判では最も重要な証拠になります。争点に関係する客観的証拠をそろえられるかどうかが、裁判の勝敗を左右すると言っても過言ではありません。
他方、後者は、記憶違いであったり、嘘をつくことにより、真実と異なる内容になってしまうことがあります。
そのため、「証言してくれる人」の存在のみでは、裁判に勝つことは難しいといえます。